株式会社産業再生機構は、その活動を通じて、健全なる企業間競争メカニズム、企業金融メカニズムの機能回復・再活性化を図ることにより、次の世代に豊かで活力のある社会を引き継ぐための一助となる事を目指します。
このため、次の5項目を機構活動の基本方針といたします。
1. 中立性、公平性、高い倫理観を共有する産業再生事業の一級の専門集団を組織します。組織は縦割りを廃しフラットで自由な意思疎通ができる柔軟性に富んだものとします。
2. 専門集団は、国家、国民への奉仕の精神を忘れず、国民負担の最小化等、社会の要請に対して真摯に仕事に取り組み、最高の技術を駆使して最善の結果を目指します。
3. 機構は民間機能を使って産業再生を実現する目的で作られたものであることを銘記し、市場原理を尊重しつつ短期、集中的に案件に取り組みます。
4. 顧客である金融機関、事業会社等に対しては、誠意と丁重さ、そして公正無私な姿勢をもって対応いたします。
5. 機構の全役職員は、その性格上、絶対的な守秘義務を遵守いたします。
企業再生は本来、民間の力により自律的に行われていくことが望ましいものではありますが、金融機関間の調整が困難であったり、事業再生マーケットが未整備であったりするといった問題から、不良債権処理は進まず、日本経済は長期間低迷を続けています。
産業再生機構は、再生可能性がありながらも、そうした債務者間の利害調整が困難である等の事由で民間だけでは解決が困難な案件に関し、中立的な調整者としての立場から、総額10兆円に及ぶ資金量を活かして債権の集約化を促進し、強力に過剰債務企業の有利子負債を削減して迅速に企業の再生、ひいては日本経済全体の活力回復を図るために設立されました。
産業再生委員会は、産業再生機構の支援決定、債権買取り及び債権処分等の意思決定を行うための機関として設置されています(株式会社産業再生機構法第14条)。
委員会は、委員長が招集し、また、委員長が出席し、在任している委員の総数の3分の2以上の出席がなければ、会議を開き、議決することができません。議事は、出席した委員の過半数をもって決します。可否同数のときは、委員長が決します。(なお、議事に関して、特別の利害関係を有する委員は、決議に参加できません。)(同法第17条)
産業再生機構においては、「活動の基本方針」を踏まえ、設立の趣旨に込められた高い社会的使命にも鑑み、役職員一人ひとりに極めて高い倫理観が求められます。このため機構においては、役職員一人ひとりが自らの行動につき責任を持ち、機構全体がコンプライアンス遵守について有機的・組織的な取り組みが行えるよう、効率的で実効性の高い、公正で透明なコンプライアンス態勢を構築いたします。
機構におけるコンプライアンス態勢の概要は、2003年5月8日の産業再生委員会及び取締役会において次のとおり決定しました。
1. 守秘義務を徹底するため、機構を退職したあとを含め、秘密の保持を罰則、民事上の責任等によって担保する。情報管理の在り方もこの一環として整備する。
2. 利益相反の防止のため、産業再生委員会の委員は、自らに審議及び議決の公正を妨げるべき事情がある案件の審議・決定には加わらない。他の役職員についてもこれに準じた措置を講ずる。
3. インサイダー取引の防止のため、役職員等の通常の株式等の取引を事前承認制とするだけでなく、証券取引等監視委員会に対して、個別案件における機構の意思決定等の時点と関係役職員を機構から通報する。
4. 外部からの圧力の排除のため、社長も含め、全ての役職員は、国会議員や官僚等から問い合わせ等があった場合は、全てコンプライアンス担当部署に報告し、産業再生委員会での決定の際には、内容を報告する。
5. コンプライアンス担当部署を設ける。ここには検事の出向者を充てる。


